家族の話

実家に帰ってきました。 毎年お盆と年始だけ帰省しては、懐かしさに胸を打たれつつ、変わっていく町に切なくなります。 そしてここには長くいられないなという実感を擦り傷のように負っては逃げるように東京に戻ります。 母が好きです。 母に会いに毎年ここ…

感覚の話

年が明けました。また実家に帰りました。実家はどちらかと言えば田舎で、それはまあ、空が広いです。 山も低い。 東京から高速バスに乗って数時間、低い山々の間を走ります。 その間は大概寝ています。なのでバスを降りるとまあ空が広い。 空は水彩のような…

飛行機

飛行機に乗っている。 20:49。 窓際の席。 遥か下にオレンジに輝くどこかの町が広がっている。これは帰りの飛行機だけれど、実は乗るのは初めて。 初っ端から寝坊してぎりぎりのところで次の便に振り替えてもらえた。 他の人に付いていく予定だったので、な…

泣き虫のはなし

久々に書きたいと思ったので、いつもの推敲なし一発書きなぐり。 今の恋人と付き合ってから、わたしはよく泣くようになった、という話。うつ病時代、どんなにつらくてもどんなに苦しくても泣けなかった。泣いて、ほんの少しでもつらさが涙に溶け出して、体外…

誕生日

先日、21歳になった。 早いもんである。 去年同様、恋人のところに泊まり、特に何もせず数日穏やかに過ごした。特別なことはなにもしていない。何もしていなくてもこんなにも満ち足りている。数年前ではきっとできなかった。数年前といえばわたしがまだ高校…

輪郭

す、推敲なんてしない学校もなく引きこもっていると、頭の中を細々としてとりとめなのないことがぐるぐるぐるぐる巡っている。ぱっと思い付いたことだったり、悩んでいることだったり、昔聞いた歌だったり。自分の意思では止められず、人から見たらなにもし…

湯槽

わたしにとって湯槽の中はひらめきと想像の場所なのだなあとしみじみ思う。今いる。湯に包まれ、体温が上がり、血が巡り、意味もない様々なことが頭のなかを行ったり消えたりする。今日は昔のことを思い出した。今でも時々思い出す母との思い出だ。夜仕事な…

まばたきをしない

勢いに任せてブログを始めてみた。特に伝えたいことはないのだけれど、書きたいことや書きたい気持ちはある、気が、する。自分の意思に鈍いのはわたしの常である。ツイッターの140文字にすっかり慣れきってしまったこの指も、たまには意味のないことをつらつ…